独り言    2009/1スタート


■2009/1/23
パーツの設計進捗状況、これから開発する物、価格表に記載出来ない事、お客さんとのやりとり、etc…を
書いていこうと思います。


■2009/1/24
ようやくNSXスピーカーバッフルボードの量産形状が出来た。自分が雨天走行は絶対にしないのと、当初は
スピーカーは消耗品と割り切って傘(雨避け)無しで構想&試作をしていたが、お客さんとの会話の中で
やっぱり傘(雨避け)は必要かなと思うようになり、何度も試作を繰り返して完成した。出来た物を見れば
「こんな物か」と思われるかもしれないが、試作1号から並べて見てみるとドンドン厚くなり逃げ加工が増えて
大きくなってDIY製作では出来ない品物になってしまった。設計変更が楽に出来るからCAD様様である。
既に試作品を組み込んで干渉チェックも終わっているので量産品完成を待つだけである。
数量限定(先着順)だが、発売記念ということで先行予約分を割引価格で販売しようと思っています。


■2009/1/30
NSXスピーカーバッフルボードは、17cmスピーカーにこだわって設計して完成させたが、設計が楽チンな
16cmスピーカー専用設計に逃げたかったのが本音である。背面の雨避け&ドア内張干渉が楽にクリア
出来た。呼称で16cmと17cmは径で1cmしか違わないが、振動板の面積では約1.25倍となる。
これだけ変わると低音の出方も違うのは納得出来る。やはり17cmは良い!


■2009/2/6
最近、問い合わせが多い件について・・・
NSXのセンターコンソールを切り抜き整形して2DINのデッキやナビをインストールする作業をやって欲しい。
と問い合わせがあります。正直なところやりたいのですが、色々と問題がありまして・・・

1)エアコン吹き出し口を外す時に下のフックがガチで硬く抜けないので、つい力が入りキズが付く、
  キズだけならマシな方でエアコン吹き出し口が割れる事もある。
  図のように一番弱い所から逝く。だから、下側をグリグリ引っ張らなければよいのだが・・・
2)センターコンソールも脆いので脱着中もしくは加工中に灰皿の上あたりで折れる事がある。
  これは既にクラックが入っていて脱着で割れるとも考えられる。
  もしくは、折れなくても、図のようにペラペラなので表面の箔の部分にシワが入る。



今までに弊社で作業したNSXはオーナー自らが上記の作業経験があって大変さが解っており、既にキズが
ついていたり、折れていたりで弊社側に弁済義務が生じないケースのみを作業させて頂いた。
工賃を頂いて作業してもセンターコンソールを弁済したら完全に大赤字、エアコン吹き出し口の弁済でも
赤字で 働いた意味が薄らいでしまう。リスクが大きいのです。
自分的には壊したくて壊しているワケではないし。
だから、現時点での基本スタンスは「リスキーな作業はしない」のです。
器用な人なら弊社のオーディオ取付キット使えば、かなり上手にインストール出来ますよ。

今後は、ドアスピーカー交換、パワーウインドウの速度低下を治すメンテなどのローリスクな弁済義務が
生じない作業は弊社で実施しようと考えています。(徐々にですが・・・)


■2009/2/20
予定通り2月下旬にスピーカーバッフルボードとOPTパーツを販売出来そうです。来週から取付説明書を
作成開始します。初回の限定割引は残り僅かです。

次の新製品はリヤータワーバーです。エンジンルームで恥ずかしそうに居る棒です。
設計ミスと思われるショボい鉄パイプ! しかも両端の取付部分がペッタンコに潰されており剛性ガタ落ち。
おまけにスロットルボディから生えているインストールパイプと交差する部分は逃げ加工がしてあるにも
かかわらずエンジンの揺れでインストールパイプと干渉している車もあるくらいだ。

設計コンセプトは「適度な剛性と重量増加を極力抑える」です。リブ構造を用いて高剛性と重量増を極力
抑える ことを両立させました。例えば無限のアルミムク材のタワーバーは剛性高すぎだと思う。
(値段も高すぎ!) 車両側の取付部分のBRKTを見れば解ると思うが、取付部分の剛性より強い物で
左右をつないでも取付部分のBRKTが しなるだけで無駄な剛性である。
ファッション性とステータス性は文句なく一番だが・・・

希にピロボールジョイントを使って左右をつないでいる製品があるけど理由はターンバックルの代用です。
ちゃんとしたメーカー品はピロではないターンバックルを使っていますよね?
ここはピロを使う場所ではありません。ピロ足のイメージでタワーバーにもピロが使われていると御利益が
あるかも??と思ってしまう人が買ってしまうのかな?
試作品が完成したら掲載します。





■2009/2/26
スピーカーバッフルボードの取付説明書が完成!
いよいよ出荷開始です。初回ロッドは予約で埋まってしまい、購入出来なかった方々には申し訳ないです。
スピーカー交換する時に防水のビニール(ドアホールシールという)を剥がしたりするけど10年以上経過
しているので風化しており、パリパリと割れてしまう。ドアホールシールをくっつけている白いブチルシール
も硬化しており再利用が不可能である。白いブチルシールを綺麗に除去するのは大変だけど、この機会にドア
ホールシールとブチルシールを全部交換するのもいいかも。
部販で聞いた話ですが、ドアホールシールが破れた状態やブチルシールの接着が甘いと室内がすぐに曇るのと、
あまり乗らない車だとカビるらしい。雨天走行しないで車庫保管なら問題ないが・・・
両ドアのドアホールシールとブチルシール交換は丁寧にやると半日以上要しますので朝から作業した方がいいです。

ブチルシールは新規で購入すると黒くてΦ3mmくらいの細い物がホンダ純正で用意されている。トヨタ、日産も
全く同じ物を販売しているが価格がバラバラ。単価計算すると日産が一番安い。白いブチルシールを探したが
無かった・・・ 下記のホンダ純正部品を揃えると6657円ぐらいです。

72321-SL0-000 シール、R.フロントドアーホール 2331円
72361-SL0-900 シール、L.フロントドアーホール 2331円
08CRB-B020N0  ドアホールのブチルシール(5m)1巻き 1995円(全て税込み)


■2009/3/2
先日、オーディオ取付キットを購入して頂いたN氏より組込画像を頂きました。
仕様詳細は、2-標準形状 表面処理無しの詳細説明欄に記しました。そちらも御覧願います。




■2009/3/6
リアタワーバーの試作品が完成しました。製品詳細欄で、うんちくを語っています。
これも自分の理想とする製品となりました。形状、材質、剛性、価格のバランスが良いタワーバーです。
現在、量産中です。



■2009/3/17
スピーカーバッフルボードとリアタワーバーの量産が完成しました。
最近、気が付いた事だけどリアタワーバーとマフラーボルトを購入してくださる方はサーキット走行を
する方が多い。リアタワーバーは市販品にて重量・材質・取付部分の形状に納得出来る物が無かった
ので自分で設計したが、サーキット派の方は解ってくれたみたいで初期ロッド分が完売してしまった。
更に量産したので単価が下がりました。



■2009/4/7
最近、中古OA機器関係が忙しいです。春だから需要が一時的に延びるのです。よって車部品は
開発が一時停止状態・・・ GWが開ければ開発再開出来るでしょう。弊社はGW中でも営業する日が
何日かあります。



■2009/5/4
いや〜4月はETC特需でETCの出荷数が半端じゃなかった。まさに右から左に流れるように落札されて
しまい大忙しでした。ようやく落ち着いてきたので連休を利用してNSXオーディオ取付キットの取説を
作成しました!

今までヤフオク出品文でも、取説は無いと記載していたが実際には簡単な取説を同梱して発送して
いました。出荷数が増えると色々な方々の質問と意見を頂きます。頂いた事項で多かった件を参考に
して画像を多用したNSXオーディオ取付キットの詳細な取付説明書が完成しました。
センターコンソール加工時に一発で加工寸法を決めるノウハウまで記載されています。
純正部品の脱着手順は一切説明していません。



■2009/6/8
最近、便利グッズ(NSXオーナーの悩みを解決)を開発しているのでNSXのリアタワーバーの脱着を
繰り返しつつ、NSXを何台か見て疑問に思っていた事があったのですが答えが出ました。
リアタワーバーの取付ボルトが2種類ある。100〜120型と130型以降では取付ボルトが違うのです。
パーツリストを見ると部品番号が別れている。各々を購入してみたら ちゃんと別部品でした。
弊社の開発車両は120型だが前オーナーが付けたのか? 130型以降のボルトが付いた。形状と強度的に
130型以降の方がダンチで良い。画像の中で座金が厚くて大径なのが130型以降のボルトです。
薄肉物を締結する時の座金って厚くて大径の物を使うのってお約束ですからね。弊社のタワーバーは
130型以降のボルトを使用する事を前提に設計しました。厚くて大径の座金がリブに近い所を固定する
のでリブの効果がはっきりします。
130型以降のボルト 93404-0802007 ボルトワッシャー8×20 @50円くらい 4個必要です





■2009/6/25
最近はお客さんがポチポチ来社してくれるので色々と作業をするようになった。大変なのは下廻りの
作業です。ジャッキで上げてウマをかまして作業していたが、今後の事を考えて2柱リフトの中古を
買いました。古い型ですがビシャモン SP-2500です。どうせメンテなんてしていないだろうからバラして
運んだついでにオーバーホールをします。こんな簡単な油圧機器は単純構造なのでツボを押さえて
オーバーホールすれば今後10年以上はノーメンテで使えます。
一番重要な油圧シリンダーを開けて見たら・・・
20年振りに光を見たのでしょう。ピストンは酷い状態です。キャップ側のダストシールとUパッキンを
外そうとしたら割れちゃいました。シリンダー内壁とピストンロッドはキレイだったので良かった〜。
ビシャモンにオーバーホールキットを頼んだら製造中止とのこと。オーバーホールキットは11000円
だったらしい。弊社は機械屋、40〜50年前の機械を修理するのはザラです。自分も設計リーマンの
時は規格に無いシリンダーを作ったりしました。なのでチョイチョイとオーバーホールキットを作りました。
つづく




■2009/7/7
先週末に2柱リフトが完成しました。あとは工場内を大幅にレイアウト変更して設置場所を決めるだけです。
車高の低い車でも入っていけるように工事もしなくちゃいけない。と思っていたら本業の機械屋で機械修理の
入庫があり忙しくなったので2柱リフトは一時停止状態です。
NSX用タワーバーVer.2は量産中です。7月下旬に完成すると思います。完成したらHPも更新します。

ビシャモンSP-2500 シリンダー修理 消耗パーツ全交換


組立 あてゴムは新型も使えるように追加工した。旧型ゴムは横ずれして車が落ちるからね。




■2009/7/25
先日、来社して頂いたお客様S氏との出来事をS氏の了解を得て書きます。
マフラー周辺を作業するのでジャッキアップとなったが、S氏はジャッキを車の真後ろから入れる。
自分が、エエッ??と驚き「何するんですか?」と言ってしまったら、S氏も驚いている自分を見て
逆に驚いていた。S氏は車の下を覗き、ミッションマウントを指さして「ジャッキ掛けるのあそこですよね?」
自分的には違うと思っているので断言した。「ここにジャッキはダメです」S氏曰くジャッキアップ出来るらしい。
てゆうか何回かしたみたい。出来るかもしれないがゴムマウントされている物を媒体として車両をジャッキアップは
構造的に無理な事を説明した。
この時にピンときました。当ブログの2/20付けで書いている純正タワーバーとスロットルボディから生えている
インストールパイプが干渉した跡がある車両って、ミッションマウントでジャッキアップしてエンジンが上に
持ち上がってしまい干渉したのかなと思いました。
この頃は2柱リフトが無かったから遭遇した出来事だったが、最初から2柱リフトがあったらフロアジャッキなど
使わなかったのでS氏と自分の双方に良い教訓となった。




■2009/8/10
先日、お客さんと話をしていて自分の感覚がズレている事に気が付いた。というか職業柄仕方ない事だと
思うが・・・ お客さんが言った「NSXの純正部品はクソ高いですよね〜」元職の自分としては生産数の
少ない車は部品単価が高くて当たり前だったので説明させて頂いた。
部品設計は、車の開発段階で月間生産数が概ね決まって月間生産数(月間発注数)を自動車メーカーから
提示されて各サプライヤー(DENSO、カルソニック等の部品メーカー)がコスト計算して競合して受注する。
輸出仕様も存在する売れ筋の車だと月間10000台なんてザラである。プレス部品を作るにも射出成形(溶け
た材料を金型に圧入して成形)にも金型が必要である。金型はとにかく高い!
そして短期間でご臨終となる。よってウン百万円の金型償却費を部品に負担してもらいます。
例えば(解りやすいように誇張した例えです)10万個の生産で使えなくなってしまう金型が100万円だと
100万円÷10万個=10円/個 金型費用を部品1個に10円乗せます。これが生産数の少ない特殊な車だと
10万個も作らないので総生産1万個で見積すると100万円÷1万個=100円/個
金型費用を部品1個に100円乗せます。部品価格が200円くらいの部品だと大幅に単価が上がります。
これは金型が100万円で計算したが実際はウン百万円の金型なんて沢山あります。NA2以降のNSXなんて
絶対に5000台も作る予定なんて無かったと思います。でも金型は発生する。部品代に乗せちゃえ〜
解り易い例が、NSX-R GTですね。骨格は一緒だが1台5000万円。外装金型費のかたまりです。。。
某50周年記念のFR車は月間生産数(月間発注数)が極端に少ないが販売価格を安めに設定されていたので
苦労しました。この車の部品を受注した会社はほとんど赤字だったと思う。
自分が在籍していた会社ではNSX部品って赤字で受注していました。



■2009/8/31
皆さんがよく使う工具としてプラス(+の穴)のドライバーがあります。半導体製造装置の会社で働いて
いた時の上司も知らなかったのですがプラスドライバーってサイズ(番手)があるの知ってますか?
一般的に使うサイズで 1 2 3とありまして2は車の内装等のタッピングネジに使われています。
3はナンバープレートを固定するボルトが代表格でM6サイズのネジでプラスが入っていたら3です。
ドライバーにネジの頭をグリッと入れてしっくりとすればサイズが合致しています。ドライバーの先端が
マグネットじゃなくてもボルトは落ちないはずです。各地の車検場の封印場所でドライバーが準備されて
いるが2と3が混在して置いてある。3のネジに2のドライバー使うと速攻でネジのメッキが剥がれて
ナンバー固定のネジが錆びてしまう。内装作業でもほとんどのタッピングが2なのに1を使ってしまうと
ネジはポロポロ落ちるし、プラス頭をナメるし作業性が悪い。安いドライバーを買うと番手が合致している
のにネジの頭が食い付いてくれない事があるので注意しましょう! 安かろう悪かろうです。




■2009/9/18
上記のドライバーの話で追加します。排気系を分解する時ってボルトナット類は錆びていますよね?
古い車、雪国の車、沿岸部の車は工具をかける六角部分が錆で痩せてしまいスパナで回そうとすると
一発で六角頭をなめてしまいます。だからメガネレンチやボックスレンチを使うのがお約束ですが、それでも
正解ではありません。メガネレンチやボックスレンチって12角なのでかかり代が少なくて六角頭をすぐになめて
しまいます。上の画像でボックスレンチがありますが両方とも番手が12です。右の6角タイプの方が痩せた
六角にはガッチリと食い付くのが想像できますよね?
それでも痩せた六角には役立たずな事があります。その様な時は微妙にサイズが違うインチサイズのボックス
レンチを使ったり、1番手小さいボックスレンチを叩き込むとボルトを緩める事が出来ます。工具をケチると良い
仕事が出来ません。車に無駄な改造する前に工具類をしっかり揃えましょう。

そういえば最近、マフラー交換した車だがボルトとナットの両方がステンレスだった・・・ 嫌な予感がしたが
案の定ガッチリとカジッて緩まない箇所があった。仕方ないので無理矢理捻り切った。しんどかったです・・・
勿論だが再組み付けには弊社のカジらないボルトセットにしてもらいました。



■2009/10/8
アフターパーツの高性能点火プラグ(IRIDIUMプラグ等)は、DENS0・NGK等の日本を代表する一流会社で
性能向上が認められる(微増だが…)としてデータを公表して販売されています。インチキなコンデンサー
チューニングや燃料ラインにマグネット巻き等の商品を大幅に性能アップと称して販売する3流会社とは
レベルが違います。だから高性能点火プラグの性能アップは信じて良いと思います。
しかし、ダイレクトイグニッション式点火装置の車にそのままアフターパーツのIRIDIUMプラグ等を付けると
エンジン不調になる車もあります。←理由は商品欄にて

そんな欠点を解消するパーツを販売開始しました。簡単なパーツなので真似されてヤフオクで類似品が
販売されるのを防ぐ為に実用新案で権利を固めました。実用新案の申請を全部自分でやったので時間を
要して販売が遅れたが。類似品を出されたら当然のように裁判になるが、著作権関係の裁判は初めて
なので楽しみでもある。
高い純正プラグを買うよりヤフオクで安くIK22あたりを買って弊社製ターミナルに付け替えた方が断然
お得だと思う。脱着して何度も使えるしね。ま〜高いプラグ買えば最初から穴は空いてないけど・・・
しかし、プラグは消耗品ですから!



■2009/10/15
最近、多い問い合わせについて
NSXオーディオ取付キットのFACEパネルで「標準形状」と「足付き」の違いは何? ですが画像で説明します。
NSXのセンターコンソールパネルって、下図のように灰皿の上あたりで割れる事が多いです。
車に組んである状態で表面に薄く横スジが入っていたら、中の樹脂は既に割れており表面の銅箔だけで
くっついているだけです。分解したら間違いなく折れてしまいます。FACEパネルの「足付き」は折れた部分を
隠す為に作られました。←比較説明ページの上から4番目の画像参照

割れた所の裏側を見ると解りますが、剛性が低そうでしょ? これじゃ割れますよね。



■2009/10/28
NSXフロント部の衝突安全を確保しつつ軽量化をしてみました。衝突安全に関わった元職としては無視出来ない
部分でもあります。単純に軽量化なら鉄製のビーム抜けばいいのだが、NSXはフロントにエンジンがないので
電柱などに車輌中心から入っていくと即バルクヘッドにきてしまう。これは痛すぎる。

赤いのはリトラのバンパー一式で重い鉄製のビームも組まれた状態で約21kg
白ゲルFRPは固定ライト用のバンパー一式で「田の字」断面のアルミビームに交換した状態で約10kg 半分以下!
勿論だがウォッシャータンクも同じ位置に取付してある。
クソ重いリトラライト一式 → 固定ライトになるのでライト部分でもかなりの軽量化が出来ます。
ハナ先で10kg以上の軽量化は回頭性が向上するはず。。




■2009/11/30
NSX用社外品のストレートパイプについて
弊社には、いつも社外の中古ストパイが2〜3セット有ります。(販売品ではないのであしからず!)
全部が同じ寸法だろうと思っていたら、けっこう寸法が違うのですね〜
どうりでマフラー交換すると色々な車輌でマフラー出口の位置がズレるワケだ。
画像の中央は2種類を同じ土俵で測定して、左右のマクロ画像は各々の数値です。ここで5mmも違えば
マフラー出口でかなりのズレが発生する。もっとも車輌の個体差、車外マフラー自身がズレているのも
多々あります。それらを矯正しようとして寸法違いのストパイが存在するのだろうけど・・・
ヤフオクでNSX用の中古ストパイ出品がありますが、色々な寸法があるので交換してみるとマフラー出口の
ズレが治るかも? 自己責任でお願いします♪

以前に電話や工場でお話したお客さんへ チタンのストパイ製作は計画中止しました。ゴメンなさい。
コスト度外視なら何でも作れますが、目標価格での製作はコスト的に無理でした。




■2010/6/9
凄いサボリですね〜 半年ぶりです。事故で動けなかったので仕方なかったということで^^;
最近は身体も動くようになってきました。仕事は弟が手伝ってくれています。←全部丸投げ

ということで、久し振りにネタを
NSXにナビ・オーディオ取付する時の電気配線は、一般的にホンダ用16Pin(白色)カプラーを
購入すると思います。もしくはヤフオクで激安Getかな。
流通しているホンダ用16Pinカプラーにクセ物が存在して、常時電源(黄)とイルミ電源(橙)の位置が
逆の物がある。これを知らないで配線したら悲惨ですね〜 他車種用かもしれないが、カプラー形状が
一緒なのでカプラーが入って使えてしまうのだ(汗
弊社の中古在庫品で10個中2個もあったので、かなり流通していると思われる。
あと、スピーカー配線が通常だとフロント側は白と灰色なのに違う色を使っていたりするのもある。
下記画像が正解品です。皆さんも取付前に比較して確認してみましょう。

配線色は、ACC電源(赤) 常時電源(黄) イルミ電源(橙) アース(黒)と約束事になっています。




■2010/7/3
排気温度センサーのメクラ蓋について
ネットで購入して頂いたお客様から「固定できない」と問い合わせを頂いたので、こちらでも
説明させて頂きます。HPの説明文は修正しました。
直接来社して頂いたお客様には、その場で私が取り付けてしまうので問題無いのですが・・・
ネジがフリーな状態から座面密着まで締めただけじゃ固定出来ません。ネジの座面が密着してから
更に3〜4回転は締め込みます。弊社で正確に測ったら2回転じゃダメでした。
3回転以上じゃないとゴムが広がってくれないです。でも広げ過ぎには御注意を

ちなみに排気温度センサーとO2センサーは別物です。排気温度センサーは無くても車検には
問題ありません。もちろん燃調にも影響ありません。外しっぱなしでいいんです。
触媒部分のセンサーは排気温度センサー エキマニ部分のセンサーはO2センサーです。




■2010/7/20
NA2のブレーキローターが歪んでジャダーが発生したのでローターを修正研磨しました。
研磨という言葉は砥石を使う場合ですが、自動車業界では、刃物で研削する場合でもブレーキローター研磨と
称しているので弊社でもブレーキローター研磨と称します。(以後 ローター研磨とする)ローター研磨は、
安価で早い方法、手間が掛かるが高精度な方法があります。ヤフオクでローター研磨作業の出品が多数あるし、
yahooで「ローター研磨」「ローター研磨機」を検索すると沢山の業者さんが出てくる。
大雑把に分類すると下記の3通りとなる。1)と2)は安価で早い方法であり大多数を占める。

1)剛性の低そうな専用機でスピンドルにローターを固定して研磨する方式(安価)
2)車輌にローターが付いた状態で研磨する方式(安価)
3)旋盤で研磨(ローター固定方法は不明)(高価)

上記1)〜3)を 順に解説します。
1)スピンドル剛性が低いのと精度基準面が確保されているのか疑問
2)ハブベアリングが精度基準軸となるが、使い込まれてガタがあり小径なベアリングを精度基準軸として
  外径300mm以上あるローターを削っていいの? 基準軸との直角度は?
3)ローターを旋盤のチャックで直接チャッキング(固定)していたらヤバイ…

弊社は旋盤を使用しますが旋盤のチャックでローターを直接チャッキング(固定)しません。鋳物(FC材)の
薄物なんか直接チャッキングしたらグニャグニャ変形してしまいます。変形した状態で高精度に加工しても
チャッキングを解放したらせっかく加工した精度面はグニャ反発で波打ちます。

ローターの取付基準面(ゼロ点)はどこですか? ハブへの取付面ですよね。ローターのハブ取付面を丹念に
精度出し処理してからローターを旋盤に固定します。1度固定したら段取りを崩さずにローターの表と裏を
研磨します。この作業によってローターの平行度が理論値ゼロとなり、車輌取付時にローター振れ精度が、
極力少なくなるようになります。(絶対にゼロはあり得ない)
シリンダーボーリング時のダミーヘッドボーリングと同じ考え方って事です。

旋盤をバカにしている業者さんもあるが、弊社に言わせれば専用機であるローター研磨機には越えられない壁が
あり、精度面では旋盤の優位性は揺るがない。←弊社の加工法なら。
何事も大多数が正しいとは限りません。本当にコアな正統派はいつも少数です。良い例が先日の国政選挙です。
大多数は2大政党への投票でした。弊社は絶えず、機械屋、設計屋としての視点で物創りと作業をしていこうと
思ってます。本物を追求していく少数派でいいんです。







■2010/8/17
シフトノブの高さについて
人それぞれ意見は分かれると思いますが、自分は極端なショートシフトって嫌いなんです。NA1 type-Rの
純正シフトって高さが90mm(画像参照)しかなくて、見た目は超カッコイイのだがシフト操作が重くて
シフトチェンジした時にググッコクッと入る感じが強いのと、ショートストロークだからシフトミスを
誘発するし、運転していて変速が嫌になります。短いレバー比でゴリゴリ無理にシフトするからシンクロを
痛める人も居ると思う。
そんな訳で自分が速攻で改良した部分がシフトノブです。6速に換装してあるので純正オプションの6速チタン
シフトノブ(イチジク型)にしたかったのも理由です。NA1 type-Rのチェンジレバーはメスネジなので細工が
しやすいです。シフトノブの高さを120mm(画像参照)にしてみました。ストロークが増えたのでシフト操作が
軽くなり変速が楽チンです。レバー比が上がって少しロングストロークになったのでシンクロにも優しいです。
人間の手首にも優しいです。NA1クーペのノーマルよりショートなので見た目もカッコイイです。





■2010/9/1
仕事復帰して最初の大きな仕事は、茨城県の I 様のNSXにオーディオ&スピーカー取付、パワー
ウインドウのメンテ&ドアホールシール交換、マフラー交換でした。車輌を1週間お預かりして
ジックリと作業しました。NSX用では業界で初めてキチンとしたオーディオ取付キットを開発した
プロとしての自覚があるし、NSXのオーディオは数をこなしているので、最高の仕上がりを
目指して頑張りました。やはりNSXにはツイーターを付けた方がいいです。
ツイーター取付作業は格段に工数が増えて大変だけど・・・ こんな感じです♪











■2010/10/23
NSX用のホイールって選択が難しいですよね?
お客様からホイールについて質問を受けたので、まとめてみました。
ホイールの幅とオフセットについて実車取付して説明してみます。NSXは個体差が大きいから
丸々信用しないで参考程度にして下さい。
ノーマル車高と車高短、アライメント数値(特にキャンバー角)でも
大きく変わります。測定は弊社デモカーで車高短になっているが車検OK仕様です。
解らない言葉はググれば図解付きで沢山出てきます。

ホイールの幅(J)はタイヤが入る所でリムの内側〜内側の寸法です。1J=1inch=25.4mm
図1のホイールは7Jとなります。



オフセットはリムの内側〜内側の中間点(ホイールセンター)からハブ取付面までの距離です。
図2は回転軸中心に合わせて錘を付けた糸をフェンダー外側から垂らしました。
左と真ん中の画像は後輪でタイヤはネオバ07 255/35R18  ホイールはTE37 9.5J+40です。
タイヤホイールがギリギリで糸に触れています。フェンダーとツライチです。
前輪の画像は用意していませんが、タイヤはネオバ07 215/40R17  ホイールはTE37 7.5J+40です。
タイヤホイールがギリギリで糸に触れています。フェンダーとツライチです。
NSXでは定番の組み合わせなのが理解出来ます。

図2右の画像は前輪でタイヤはRE11 215/45R16 ホイールはSSR 7J+38です。
糸から4mm内側に入っています。よって7Jの場合は+35でも大丈夫です。



NA1純正は、フロント205/50R15 6.5J+55 リア225/50R16 8J+60 これだと20〜30mmもスペーサーを入れないと
ツライチにならない。上記の検証の通りツライチ寸法が解ったので下記表の水色部分が推奨サイズとなる。
ホイールのインチ径は関係ないです。

NSX                  
F ホイールサイズ 6.5J +55 7J +30 7J +35 7J +40 7J +45 7.5J +30 7.5J +35 7.5J +40 7.5J +45
ハブ取付面からの距離 34 59 54 49 44 65 61 55 51
                 
R ホイールサイズ 8J +60 9J +30 9J +35 9J +40 9J +45 9.5J +30 9.5J +35 9.5J +40 9.5J +45
ハブ取付面からの距離 42 84 80 75 69 91 86 81 76

計算例:7J×25.4mm÷2−off35=53.9
上記一覧表の「ハブ取付面からの距離」とは、図1の測定子までの距離です。ホイールの外側ではないです。




■2010/12/6
東京都のK様から複数作業の依頼を頂きました。そのうちの1つですが、既に他のショップ作業で付いていた楽ナビと
純正ナビモニターケースの修正作業依頼ですが、実際に作業して驚いたので今回のネタにしてみました。

純正のナビモニターケースはメーカーラインで組込出荷の取付方法は見たことないですが、ほとんどのオーナーさんは
初期型に後付けしていると思います。ダッシュボードに固定ネジの穴を空けるか、両面テープ固定だと思います。
穴空けしたらネジ穴が目立つから2度とナビモニターケースを外せない。両面テープは脱着するのが大変だし、
接触面積が少ないので走行中の振動で剥がれてしまう。

固定ネジでしっかりと固定出来るかと思えば全く使い物にならない。下図を参照願います。
実際の固定ネジとは違います。座面とネジの角度を解りやすくする為に長いネジをナット固定して撮影しました。



固定ネジを締めるとナビモニターケースはズルズルとセンターコンソール側に移動してエアコンダクトから外れるし、
ネジも締まらない。スキー場の斜面で山側から押されても止まってられないのと同じ状況です。
単純にネジを入れる角度を起こしてダッシュボードに対して直角に捻り込んでもナビモニターケースの 座面角度が
修正されないので結果は一緒である。←やったと思われる穴がブツブツ空いていた・・・


やってみれば解るけど、上図のような状態じゃ固定は無理。代償としてダッシュボードに穴が・・・

それに液晶モニターの固定方法が難しいと思います。エーモンやホームセンターの金具をグチャグチャ使って
取り付けても液晶の取付剛性は上がらずプラプラしている。
ホットボンド等で固めてしまえば簡単だろうけど夏場の炎天下で下図のようになります。
つららのように垂れておりエアコンダクト上部に固まりがいます。ダッシュボードにも流れた跡があります。
しつこいようですが、他のショップさんでの作業です。




K様のNSXは、とにかく大事にされているのが解る車輌だったのと、これからも更に長く乗られるので
この惨状を打開したくなりました。見えない部分でも綺麗に作業しつつ、弊社の作業メニューに追加出来るように
しつつ、他のショップで開けられても恥ずかしくない作業をしました。
ナビモニターケースとダッシュボードの固定にアルミBRKTを製作してBRKTはダッシュボードに両面テープで固定。
このBRKTはダッシュボードに接する面積を広くしてあるし夏場のハードな走行でも取れない業務用の両面テープ
なのでしっかり固定出来ます。弊社では5年以上の実績がある両面テープです。
こんな感じに綺麗にしっかりと取付出来て、ナビモニターケースを外しても恥ずかしい跡が残りません。



弊社では、ナビモニターケース、エアコンダクト、ネジ部のメクラ蓋2個、/ここまでは純正部品。
弊社製ナビモニターケース固定BRKT、固定ネジ(タッピングなんかじゃなくてMネジです)2個
合計7点セットで販売を考えています。 液晶モニター持込で取付作業も承ります。
液晶モニター固定にもBRKTを製作して何度でも液晶モニターを脱着出来る仕様にします。
重量物の固定に両面テープって許せないのです。
お客様が弊社に作業依頼してくれるからには、最高のNSXを作り上げたいですからね♪

←クリック K様作業内容の一部を動画にしました



■2011/2/21
最近はNSX以外の事で忙しくNSX独り言を放置気味だったけど新製品はゆっくりと動いています。
NSX用のハブリングが量産化されました。不思議とNSXサイズって販売されてなかったので自分でも
困っていました。だったら作っちゃえということで・・・

もうひとつは代替O2センサー
エキマニに付いているセンサーです。これが壊れてメーター内のエンジンチェックランプが点灯したままの
車輌って多いですよね。O2センサーが壊れていても燃費が悪くなって排ガスが臭くなるだけでエンジンは
壊れないので問題ないし出費が大きいから放置が多いと思います。

前後バンクを交換すると部品代だけで40000円、工賃も高いです。ネジ部が焼き付いて外せないから苦労します。
O2センサーソケットと2柱リフトが必須アイテムとなります。

安く交換出来ないかな〜と思っていた部品でもあります。
そこで試行錯誤してみました。安く作る為に前後バンクでケーブル長を揃えて(純正はケーブル長が前後で違う)
共通部品としてコストを下げました。もちろんカプラーオンのポン付け交換でOKです。
日本製 超大手部品メーカー製造です。弊社デモカーにも付けています。

平成2年(100)〜6年(120)対応とします。 初期型の平成6年迄のワイヤースロットでしかテストしていないから
です。純正部品は100〜160迄の3000ccエンジンは部品統合で同一部品番号になっているので、130〜160にも
使えると思うが、130以降の車輌は無いに等しい・・・ 弊社で実験していないので対応から外しただけです。
近所の方だったらテストしてみますか?



■2011/3/21
震災後10日で、とりあえず通常営業に戻ったけど、暫くは工場の片付け等が続きます。
工場と自宅の周辺はこんなに破壊されてしまいました…
香取市の被害状況



■2011/9/15
今年は東日本大地震のせいで、他方面の仕事が忙しくてNSXブログをサボってしまいました。
ゴメンなさい。ようやく他方面の仕事が落ち着いたのでNSXにもリソース注げます。

今、話題のモデューロ サスペンションキット装着のお客様が来社されたので、じっくりと見させて頂きました。
車高なんかイイ感じです。画像では高く見えますがNSXは1名乗車でもかなり沈むのでちょうどイイ感じだと思います。
皆さん車高を決める時って非乗車状態で調整するけど1名乗車での沈みもチェックした方がイイですよ。
左Fの隙間50mm 左Rの隙間55mm この状態で乗車すれば更に沈むのでちょうどイイかも。







■2011/11/4
純正オーディオでセンタースピーカー(座席と座席の間にあるヤツ)から雑音が出るが
ドアスピーカーは正常な場合ってイヤですよね。雑音だけ消したい場合は、助手席足元の
フットバススピーカーのコネクターを外して下さい。
そうすればフットバスとセンタースピーカーへの出力は無くなり音が出ませんから。
外したコネクターは必ずタイラップで固定しないとカチャカチャ音が発生します。
ドアスピーカーに社外のスピーカー付ける時も同じ処理をします。





■2012〜2017
2輪車の部品開発とエンジンチューンに集中していました。よそでは作れない製品のラインナップ
だと思います。ていうか、よそでやっているモノと被っても仕方ないし。
その間も合間をみてチョコチョコとNSXの作業をしていました。個人が特定されちゃう車両だったり、
メニューが決まってきて過去の投稿と被るので延々とサボって更新してませんでした。


■2017/ 7/13
ビシャモン(スギヤス)2柱リフト OSP-25 シリンダーのオーバーホール

なんか、NSP-30 NSA-30も同じシリンダーでリーフチェーンが違うだけみたい・・・
以前から、時々だけどOSP-25のシリンダーシールキットの問い合わせを受けていたが、
自分の中ではOSP-25のシールキットはビシャモンから販売されている認識でいたので、
弊社では設定するつもりはなかった。ビシャモンが供給を絶ったらやろうと思っていた。
そう、SP-2500のシールキットみたいにね。
OSP-25のデビューは昭和時代の末期で1993年(平成5年)の春まではシリンダー周りは
変更されていないみたい。1993年(平成5年)の春からシリンダーに小変更があって
シールキットも変更された。

関西圏のお客様から 「1993年(平成5年)の春以前のモデルがシールキットの供給が終わった。」
なんとかならない? と連絡を頂いた。部品を送ってもらい、なんとかしました。
以下の画像は初期型(1993年(平成5年)の春以前)の部品です。

シリンダーキャップ 清掃前



シリンダーキャップ 清掃中 ダイソーで売っているΦ50mmのワイヤーブラシです



溝の中が重要なんです。キレイになったでしょ。



シリンダーキャップとピストン
ピストンの右側の溝、ここに油カス等の微物が残っているとシールが浮いて油漏れ発生する



勿論、OILタンク横の切り替えバルブ内のシールも全部交換したので完璧。
これで20年間はノーメンテで使えるでしょう。
てなワケでOSP-25系(NSP-30 NSA-30)前期のシールキット販売を始めました。



■2019/ 8/9
ビシャモン(スギヤス)2柱リフトの修理や便利な弊社オリジナル製品の動画
あっちこっちに散っていたのでまとめてみました。
SP-2500 OSP25 OSP系全般 シリンダー上の大プーリー摩耗修理
SP-2500 OSP25 OSP系全般 プーリーとシャフトの摩耗修理
スライド受け台の説明
スライド受け台 大型サイドステップでの使い方